「馬上で人は落ちないよう全身の筋肉を無意識に使うので、かなりの筋力鍛錬になる」と話す。特に背、腹、太ももなど姿勢を保持したり、歩くのに大切な役割を果たす筋肉が集中的に鍛えられる。
背筋や腹筋を鍛える方法は他にもあるが、「筋肉と同時に神経の訓練もできるのが乗馬の特徴」。様々な動きをする馬の上で無意識に体を動かしていると、神経も鍛えられる。筋肉と神経の同時鍛錬で体全体の動きが鋭敏になる。画1的な動きを繰り返すだけの筋トレとはひと味違う。欧州などでは障害を持つ人の治療法として乗馬が広く用いられているという。
最近は乗馬がダイエットに有効なことも分かってきた。「ゆっくり歩く乗馬もウオーキングと同等の有酸素運動になる」。乗馬時の騎手の心拍数と酸素消費量を調べたところ、こんな結果が出たそうです。
有酸素運動は体脂肪を燃やす減量に良い。「通常の運動が困難な人にとって、乗馬で有酸素運動ができることは貴重な機会」。高齢者などはひざに故障があって減量運動ができずに体重が増し、さらにひざが悪化するような場合も多い。乗馬はその悪循環を断つ手段になり得る。