A幼児期前期(意志)     親的人物(しつけ)  

自律(自分の我を出したり引く) VS   
   恥、疑惑(人に従順になり、他人に操られている感覚を持つ)


 生後1年〜3年もすると言葉も使い始め、筋力もついてきます。また、自分で判断もできるので親のいうことに反抗したりします(第一反抗期)。今までは何でも受け入れてくれた両親ですが、特にトイレを義務づけられたり、スプーンなどを持たされて食事をさせられたりと自分の思い通りにはいかない状況が生まれ、基本的信頼が揺らいできます。ですから基本的信頼が薄く、それを失いたくない場合は親に従順になりますが、基本的信頼が強いと自分の我を通そうとします。このときに獲得する感覚を「意志」といい、この感覚をを獲得すると「自分の我を出したり引っ込めたりできます」が、獲得できないと「自分の我を抑えすぎて、他人に操られている」という疑惑をもってしまいます。このように自分の意志を律することができると自分という存在を意識でき、そして他人の自律性も認識することができるので友達関係に入りやすくなります
 また、母親との分離が始まり、一人で遊ぶようになります(一人遊び)。親などの干渉もありますが一人遊びとは誰の手も借りず自分のおもちゃなどで一人で遊ぶことで、群遊びの兆候といえます。
このように「自律性」は全てを受け入れてくれる親とは別の、しつけをする両親との新たな出会いをもたらすだけでなく、他人の自律性を認め、その後の人生の出会いの基礎をつくる側面があります。「自律性」が未獲得な場合、深い人間関係に入ろうとはせず、人の愛を失いたくないという恐怖が表れ、意義のある出会いに入っていくことをせき止めてしまいます。「自律性」は社会が自分に求めている期待とは別に自分の欲求を通していく能力の基礎をつくると同時に、人間関係を広げていくための基礎をつくっていく。

乗馬との関わり
 この時期は母親的存在からの分離が始まり、自分という存在を確認することが必要な時です。乗馬では親や指導員の手を借りずに自分でできることは自分でして、そしてたとえできなくてもその失敗を楽しむことができたり、また、乗馬のルールを守ったりすることで自律性が養われます。
また、前発達段階で基本的存在の獲得が薄い場合でも、馬を自分の意志で操ることで全能感の獲得ができます。これはこれ以降の時期の段階でもいえることです。
この時期の子供は家族以外の社会と関係を持つことは難しいですし、自分の意志を持ちますから周りとの協調を持ちにくい場合もありますので、一対一の関係を持ち、子供が馬も含め一つの遊びに集中できる環境を用意しなければなりません。また、子供はわがままを通そうとしますが、指導員は乗馬のルールなどをわかってもらえるように、必要であればわがままをやめさせることも必要です。しかし、この時期ではまだなぜだめかをわかる論理性が獲得していませんので、そのことを念頭に置かなければなりません。
時には優しくほめてあげるげ、子供が自分の意志を出したり引いたりできるような対応が求められます。
 この時期は親から離れ、一人遊びをする時期に入っていますが、核家族化、少子化などの状況もあり、母親が必要以上に一人遊びに干渉したり、逆に放任してしまったりする状況にあります。ですから母親と離れた位置で、馬や指導員といっしょに子供が自由に遊べる環境が必要です。

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