D思春期(忠誠)     仲間集団  

同一性(自分の定義ができる)
       VS 同一性拡散(自分が何者か解らない)


今までは自分を中心とした視点で世界を見ていましたが、思春期を迎えると他人の目を通しても世界を見ることができます。この時期は第二次性徴がはじまり、自分の体に関する異物感が高まることによって自己意識も並行して高まり、内省力がついてくることも加わり、自分自身に関する関心と疑問が自己に殺到してきます。そして、「自分とは何か?」「自分は他人の目にどう映っているか」という重大な疑問が生まれてきます。
この疑問が解決されると「自分に関する自己定義もはっきりして、自分が真に自己関与できる社会的価値を選択」できますが、解決できないと「自分自身について何もわからず、自分の社会的価値もわからずに、将来の見通しもたたない」状態におちいります。
この時期の必要な環境で、大きく関わってくるのが「友人」の存在で、友人を通した目で自分を見つめ、同一性を高めていきます。同じ悩みを持つ友人と話し合うことや、友人と共通の不安を持つことで心の整理ができますが、友人にも話せない悩みもあり、「孤独」を選んでいくこともあります。 
 また、同一性は未来への展望と大きく関わっています。もちろん児童期にも子供は将来の夢を持っていますが、それは自分は「やればできる」という思いから社会的価値のある仕事がしたいと考えるからですが、思春期には自分の社会的価値を決定するのは自分ではなく、他人など外界の基準であると気づき始めます。その認識が児童期と決定的に違うところです。
 また「同一性拡散」に対する防衛として、同一性の感覚を集団として代理的に得ようとして同じ趣味などの仲間と集団をくむことがあります。一人になると不安になるので、集団に属することでそれを守ろうとするのです。
 

 乗馬との関わり
 馬という共通性をもつ仲間(連帯感)をつくり、彼らを通して自分の存在をを定義づける一つになることができる。そして、自分に関する自己定義もしっかりして、自分が真に自己関与できる社会的価値を選択できるようになります。そして 一人で抱えられない不安を集団で解決できます。
この時期に自分を「集団をリードできる存在」と定義付けができた場合、集団をまとめるための能力を獲得するようになるでしょう。前発達段階でも集団をリードしますが、その場合は自分の主導性においてですが、この段階では他人の目を通しての定義付けですのでより自分の社会的価値を確認することができます。乗馬クラブではJrリーダー制度を取り入れ、年上の人から教わったり、年下の人の世話をしたりすることができるような環境づくりをしています。この中で後に大人になったときの子育て等の疑似体験をすることで、大人への成長を手助けし、またこのグループをまとめることでリーダーとなれる能力を培っています。

トップページ 乳児期 幼児期前期 幼児期後期 学童期 思春期 前成人期 成人期 老年期 水口乗馬クラブ